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利用者様や新人職員を不安にさせる「禁句」

私が初めて介護現場を見たのは、中学1年生のときの市主催のボランティアでの特別養護老人ホーム職場体験でした。

そこの施設は以前から地域に開かれており、様々なサービスを展開する、地元でもちょっと名の知れた老人ホームでした。

 

友達と一緒に参加したのですが、一通りの説明を受けた後、何をしたらいいか尋ねた私たちに、そこの介護職員さんからある言葉を言われて、中一の私たちは大いに戸惑うことになりました。

その言葉とは…

「自由にしていてください」

 

初めて見る老人ホーム。
そっとお部屋を覗くとベッドで横になっておられる方の姿が見えました。

でも、お部屋に入っていいのか、話しかけていいのかそれも分かりません。

廊下を歩いていても誰もいないので、どうしたらいいのか分かりません。

結局うろうろしながら困っている私たちを見かねたのか、洗濯場の職員さんがタオルたたみの仕事をくださったので、ボランティアの3日間、ほぼ洗濯場に通っていました。

(そうは言っても、昼食の時間に、人生初の食事介助をさせていただいたのは覚えています!!あれはドキドキしつつも、良い体験をさせていただきました。)

 

介護職になった今なら、あの時の介護職員さんたちもとても忙しい業務の中で、急に連れてこられた何も知らない中学生を置いて行かれて、仕事を振るのも説明するのも時間がなくて、「好きなように過ごしていて」と言いたくなった気持ちが、今となってはよく分かります。

 

でも、私は今でも忘れられないのです。

「自由」という名の「何をしていいかわからない」という時間が、とても苦痛で不安だったことを。

 

介護の仕事は忙しいです。

それでも、「何をしたらいい?」と聞いてくださる利用者様に対して、また体験ボランティアさんや新人職員に対して、「自由にしていてください」という言葉をかけないように、これまで私は気をつけてきました。

 

やることがある、やることが分かっている。それだけで安心できます。

何もすることがない、どうしたらいいのかわからないというのは、どうしようもないほど不安です。

 

利用者様の中でも、特に認知症という病気を持っておられる方であれば、不安によって落ち着かなくなったり混乱されたり、他の認知症特有の症状の発現につながることもあります。

逆に安心できる働きかけをすれば、落ち着いて過ごせて介護もしやすくなります。

 

新人職員や体験ボランティアの方は不安を感じると、その後の介護職へのイメージが悪くなります。

 

あなたがもし介護職で、誰かから「何をしたらいい?」と尋ねられる立場になったときは、ほんの1つか2つでいいので、何か簡単でやれそうなことを提案してあげてください

 

それはその人に「やること」だけではなく、ここに居ていいんだという「安心」をあげることになるでしょう。

皆さま、良いお年をお迎え下さい。
介護職をやっていて良かったと思えますように。

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この記事を書いた人

鈴木 奈津子先生

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